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ヤマハ ジャズ フェスティバル イン 浜松'07
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ヤマハ ジャズ フェスティバル in 浜松‘07
ヤマハ ジャズ フェスティバル イン 浜松2007 超満員の聴衆を迎え盛大に開催
-- スイングジャーナル誌2007年8月号より転載 --
6月17日(日)、今年で16回目を迎えた《ヤマハ・ジャズ・フェスティバル・イン浜松2007》が、静岡県浜松市・アクトシティ浜松大ホールにて催された。この日浜松は快晴。チケットは完全ソールド・アウト、超満員の2,336名で賑わった。
このフェスティバルは“ここにしかないめぐり合い”を合言葉に、毎回特別プログラムが組まれるが、今年もすばらしいプログラムが実現した。先発のニューヨーク在住で人気絶頂のピアニスト、山中千尋が真っ赤なドレスで登場。1曲目はアルバム「アウトサイド・バイ・ザ・スイング」の表題曲を披露。トリオの3人が自由に激しくフリーな感じでスタート。やがて高速テンポに変化。アグレッシブでストレート・アヘッドなジャズ演奏は、本場ニューヨークの最先端の音である。驚いたのがサイドメン。全員がニューヨークから来た女性である。ジェニファー・レイサムはまるで男性のように力強いベースを弾く。アリソン・ミラーは、若き日のジャック・デジョネットを彷彿とさせるようなドラムを叩く。
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2曲目は、クラシックの<愛の悲しみ>。20世紀最高のバイオリニストと称されたフリッツ・クライスラー(1875-1962)の曲。次いで山中の代表曲<リビング・ウィズアウト・フライデー>。カモメのジャケットのアルバムの表題曲だ。やがて山中のピアノの音が鮮やかに浮かび上がってくる。一体小柄な彼女のどこから、このパワーが生まれてくるのだろうか?<縁は異なもの>ではMoog Pianobarを装着して生ピアノの音の上に他の音を重ねて見せた。斬新な試みである。
2部は、三木俊雄(ts)率いるフロントページ・オーケストラが登場。1曲目の<タイム・フライズ>と3曲目の<隅田川>は、アルバム「ハーモニー・オブ・ザ・ソウル」の収録曲。2曲目は池田篤(as)の<パリから来た男>。珍しい10人編成のオーケストラだが、一人一人が実力派のソロイストなので、彼らが織り成す音のカーテンは見事で、ホールを包み込むように魅了した。各人のソロ、三木のアレンジも素晴らしい。そこに美人シンガー、megが登場。megは、昨年11月。「グレース」でデビューしたばかりである。グランミラー楽団で有名な<ムーンライト・セレナーデ>などを丁寧に、チャーミングに3曲歌った。最後は、このフェスティバルのために三木俊雄が特別に書き下ろした<ステッピング・ストーン>。7拍子のスリリングな曲だ。奥村晶(Tp)と三木(Ts)が素敵なソロを聴かせた。
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3部は《ヤマハ・ジャズ・フェスティバル》に11年ぶりに凱旋を果たした渡辺貞夫(As,Fl)である。渡辺は、1933年生まれ。今年で74歳(ウェイン・ショーターと同い年)だが、とっても元気だ。まずは<ワン・フォー・ユー>。爽やかな風のような曲で、いきなり渡辺の温かい音色に痺れてしまう。次いで<シー・ホワット・ハプンズ>。パーカッションのンジャゼ・ニャンのリズムが心地好い。まるで大地の鼓動のようだ。次いで<アララケ>。「神様はなんでもお見通しだ」という意味だよと渡辺は優しく説明する。<ディープ・イン・ア・ドリーム><コール・ミー>ときれいなアルトを聞かせる絶品のバラードが続き、ホールは大きな拍手に包み込まれた。
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この日、渡辺はいろんなタイプの曲を合計10曲演奏、出演者と聴衆の気持ちが一体となる感動のステージを展開、ホールを興奮の坩堝に叩き込んだ。一音入魂のアルト、飽きない多彩な選曲、フレッシュなメンバー、圧倒的なステージパフォーマンスは抜群だった。
鳴り止まない拍手に山中千尋、三木俊雄を始めフロントページ・オーケストラの面々が戻り、ステージは一気に華やかになる。真ん中には渡辺貞夫がいる。さあ、全員による夢の共演の実現だ!曲は、美しいメロディを持ったケニアの歌<ハランベー>。全員が歌いだすと、大きな手拍子が沸く。この曲は、人々をなぜだかあっというまに幸せな気持ちにさせてしまう。こうして感動のステージは幕を下ろした。(高木信哉)
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>> PART.1 山中千尋トリオ
[出演] 山中千尋(ピアノ)
ジェニファー・レイサム(ベース)
アリソン・ミラー(ドラム)
  >> PART.2 Harmony of The Soul FRONT PAGE ORCHESTRA + meg(vo)
[出演] 三木俊雄(リーダー、テナーサックス)
池田篤(アルトサックス)
岡崎正典(テナーサックス・ソプラノサックス)
松島啓之、奥村晶(トランペット)
片岡雄三(トロンボーン)
山岡潤(ユーフォニアム)
福田重男(ピアノ)
上村信(ベース)
高橋徹(ドラム)
meg(ボーカル)
  >> PART.3 渡辺貞夫クインテット
[出演] 渡辺貞夫(アルトサックス)
小野塚晃(ピアノ)
石川雅春(ドラム)
納浩一(ベース)
ンジャセ・ニャン(パーカッション)
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