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ヤマハ ジャズ フェスティバル イン 浜松'06
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ヤマハ ジャズ フェスティバル in 浜松‘06
ハママツジャズウィーク最終日を飾るこのフェスティバルは、PART 1:日本ジャズ界の未来を担う矢野沙織のカルテット、PART 2:ベテラン板橋文夫のトリオ、PART 3:ボーカルのチャリートとアルトサックス・世界の巨匠フィル・ウッズをYJF All Star Big Bandがサポートするという、変化に富んだ3部構成で、2006年6月18日(日)アクトシティー浜松 大ホールで行われました。

フィル・ウツズを囲む感動の嵐!
15回目を迎え第15回目を迎えた《ヤマハ・ジャズフェスティバル・イン浜松》開催
-- スイングジャーナル誌2006年8月号より転載 --
第15回目を迎えた《ヤマハ・ジャズ・フェスティバル・イン浜松》が6月18日、浜松市のアクトシティ大ホールで開かれた。
先発はカラフルなミニ・スカートで登場した19歳のスイング・ガール矢野沙織のカルテット。矢野は11歳の時(1998年)、トゥインクル・スターズBANDの一員として、《ハママツ・ジャズ・ウィーク》の街角ジャズ・コンサートに出演している。
さて矢野は、まず「あなただけを」をミディアム・テンポで、丁寧にアルトで歌い上げていく。2曲目は矢野の新作オリジナル「グリニズム」で、スピーディないい曲だ。エネルギッシュに吹いていく。
次いでバラード「虹の彼方に」。情感たっぷりに楽器を響かせる。会場を埋めた2,336人はうっとりと聞き入っていた。最後はガレスピーの「グルービン・ハイ」。矢野の高速テンポの演奏が楽しめる。
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2部は板橋文夫MixDynamiteTrioが登場。「アリゲーター・ダンス」など3曲を演奏した。板橋はいきなりガンガンと叩くように弾く。井野信義は野太い音を出し、小山彰太は剃刀のように叩きつける。板橋は、本田竹広亡き後、彼の意志を継ぐ一人だ。ダイナミックで壮絶なプレイに、会場は静まり返った。
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3部はチャリートと佐藤允彦率いるヤマハ・ジャズ・フェスティバル・オールスター・ビッグ・バンド。このビッグ・バンドには日本を代表するトップ・クラスのジャズメンが集められた。チャリートは、鮮やかなシャンパン・ゴールドのドレスで登場。まずガーシュインの傑作バラード「アイ・ラブ・ユー、ポーギー」を熱唱し、聴衆を魅了した。2曲目はボサノバの「ノン・ストップ・トゥ・ブラジル」。ビッグ・バンドのアンサンブルが綺麗だ。3曲目は新作「ニカズ・ドリーム」の標題曲。この曲が素晴らしかった。チャリートの躍動する歌声。リリカルでパワフルなビッグ・バンド。最高の出来である!最後は「朝日のようにさわやかに」をラテン・アレンジで極めた。
続いてお待ちかねフィル・ウッズがスーツに帽子を被って登場。最初はカルテットで「ボヘミア・アフター・ダーク」。振り返ればウッズの音楽生活は、既に半世紀を超えているが、まったく衰えを感じさせないプレイで魅せる。
ビッグ・バンドとの共演では5曲演奏したが、4曲がウッズのオリジナルだった。「リーツ・ニート」はスイング時代の雰囲気を醸し出した。クインシー・ジョーンズの「クインテッセンス」はフィル・ウッズをフィーチュアしたビッグバンドの名曲として知られているが、本人の演奏で聞けるとは思わなかったので嬉しい。フレンチ・ホルン2本も加わり、ムーディな美しい演奏だ。一音一音に魂を込めるようなウッズの演奏である。「グッドバイ・ミスター・エバンス」はビル・エバンスに捧げた曲。長いメロディを持った曲だが、いい曲なので長さをまったく感じさせない。「オール・バーズ・チルドレン」はチャーリー・パーカーに捧げた曲。ウッズがこぶしをきかせながら吹く。当初予定になかったが、ウッズのソロのあと、近藤和彦と多田誠司がソロを取った。満足したウッズが目を細め、近藤と多田と握手をした。
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一旦終了したが、鳴り止まない拍手にチャリート、矢野沙織、フィル・ウッズらの順に戻り、ステージは一気に華やかになる。さあ、全員による夢の共演が実現した!最後の曲は美しいメロディを持った「ジャスト・ザ・ウェイ・ユー・アー」。チャリートが歌いだすと、自然に手拍子が湧いた。見事な歌唱のあと、矢野が一生懸命に吹く。ウッズは優しくじっと見守っている。感心したようにソロを代わる。情熱的な演奏だ。充実した内容で聴衆を大いに満足させた。(高木信哉)
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>> PART.1 矢野沙織 カルテット
[出演] 矢野沙織(As)
今泉正明(Piano)
安ヵ川大樹(B)
田鹿雅裕(Dr)
  >> PART.2 板橋文夫 Mix Dynamite Trio
[出演] 板橋文夫(P)
井野信義(B)
小山彰太(Dr)
  >> PART.3 フィル・ウッズ with YJF All Star Big Band
スペシャルゲスト:Charito(Vo)
[出演] (As)Phil Woods,(Piano)Eric Doney,(Vocal)Charito
(Conductor,Piano)佐藤允彦
(B) 井上陽介
(Dr) 大坂昌彦
(As) 近藤和彦、多田誠司
(Ts) 小池修、アンディー・ウルフ
(Bs) 宮本大路
(Tp) 佐久間勲、奥村晶、横山均、原朋直
(Tb) 中川英二郎、片岡雄三、橋本佳明、山城純子
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