ヤマハ ジャズ フェスティバル

写真:ヤマハ ジャズ フェスティバル

日本で開催されている数多くのジャズフェスティバルの中でも、その独自性が高く評価されているヤマハ ジャズ フェスティバル。ジャズの偉大な音楽家・作品との出会いをキーワードに、将来を担う有望な新進気鋭のミュージシャン、幅広い音楽性とエンターテインメント性でジャズの楽しさを表現する人気アーティスト、ジャズの伝統や真髄を次世代に伝えるベテランミュージシャンなど、多様な顔合わせにより“ここにしかない、めぐり合い。”を実現してまいります。

今回は、ニューヨークを拠点に数々のジャズレジェンドと共演し“NYで最も愛され、信頼されている日本人ジャズピアニスト”と称される海野雅威のほか、代表曲“ダンシング・ヒーロー”などのヒットソングからジャズまでジャンルを越えた歌で多くの聴衆を魅了する荻野目洋子が登場。さらに、生誕90周年を迎えた日本を代表するレジェンドサックス奏者の渡辺貞夫が、選りすぐりの気鋭メンバーを集めて結成した渡辺貞夫オーケストラが出演します。

日時 2023年10月22日(日)
開場:12:00、開演:13:00、終演:17:15(予定)
会場 アクトシティ浜松・大ホール
住所 〒430-0928 浜松市中区板屋町111-1
詳細地図
入場料 SS席 9,500円
S席 7,500円
A席 5,500円
B席 3,500円
※全席指定、未就学児入場不可
Pコード 245-843
Lコード 43449

Part 1
海野雅威 NYトリオ

ロイ・ハーグローヴ・クインテットで日本人初のレギュラーメンバーを務めるなど、ニューヨークを拠点に活動する実力派ピアニスト海野雅威。2020年9月のコロナ禍においてNYでアジア人ヘイトクライムの犠牲となり集団暴行に遭遇。重傷を負うも不屈の精神で奇跡の復活を果たす。復帰作では、抜群のメロディセンスとストレートアヘッドなサウンドで、生命力と歓びに満ちた音楽の真髄を表現する。2023年5月に復帰第2段としてリリースされたアルバム「I Am, Because You Are」のレギュラートリオによるライブは、ここ浜松で初演を迎える!

1980年、東京生まれ。
4歳からピアノを弾き始め、9歳でジャズ・ピアノを始める。
東京藝大在学中の18歳からミュージシャンとして活動を始める。
2008年にニューヨークへ移住。ゼロからスタートした新天地にてトップ・ミュージシャンに認められ、ジミー・コブ(Dr)、クリフトン・アンダーソン(Tb)、ウィナード・ハーパー(Dr)、ロイ・ハーグローヴ(Tp)、ジョン・ピザレリ(G, Vo)、ジャズメイア・ホーン(Vo)等のバンドでの活動の他、自身のトリオでも演奏を行っている。
2013年にはヴィレッジ・ヴァンガードで、ジミー・コブ・トリオのピアニストとして日本人初出演。
2016年、現代の音楽界を支える多くのミュージシャンを輩出している名門ロイ・ハーグローヴ・クインテットの日本人初のレギュラー・メンバーに抜擢され、ロイが亡くなるまでの2年間世界各地を回るツアーを行う。
また、惜しまれつつ世を去った日本の名ジャズ・ピアニスト世良譲、ジャズ・ピアノの巨匠ハンク・ジョーンズ、テナー・サックス&フルートの巨匠フランク・ウェスが、晩年最も期待を寄せていたピアニストでもあり、CDでの共演の他、音楽のみならず人生の師として交流を深めていた。
2010年5月16日、世界中のジャズ・ファンに愛され最期まで音楽への情熱を燃やし続けたハンク・ジョーンズが91年間の人生に幕を閉じる時、その最期に立ち会う。
2020年9月27日、コロナ禍のニューヨークにてアジア人ということだけで襲われ重傷を負う。
緊急手術後に一時帰国し、約半年に及ぶ治療を行った後、アーティスト活動を再開すべく、2021年に再度ニューヨークへ渡航。
8月にブルーノート・ニューヨークにおけるジョン・ピザレリ・トリオの公演で演奏に復帰、秋には日本でも「奇跡の復活ツアー」を敢行。
差別や暴力に屈せず、混沌とした時代だからこそ音楽と共に生きる姿は、NHKスペシャル「素晴らしき世界~分断と闘ったジャズの聖地~」でも取り上げられ、大きな反響が寄せられ、番組は2022年度国際エミー賞にノミネートされた。
2022年3月、渾身の復帰作『Get My Mojo Back』をヴァーヴ・レーベルよりをリリース。
支えてくれたミュージシャン仲間とニューヨークでレコーディングされた本作品は、療養中のピアノを弾くことができなかった時期に書き下ろされたオリジナル曲で構成。
生命力と歓びに満ち、ジャンルを超えて多くの音楽ファンに届き、アルバムはジャズの国内新譜としてトップセールスを記録。
また、2022年度・第35回ミュージック・ペンクラブ音楽賞《ポピュラー》部門の最優秀作品賞を受賞した。
2023年5月、最新アルバム海野雅威トリオ 『I Am, Because You Are』をリリース。

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写真:海野雅威(Pf)

ダントン・ボーラー(B)

ニューヨーク在住のベーシスト、作曲家、プロデューサー、教育者。
ロイ・ハーグローヴ・クインテット、ロイ・ハーグローヴ・ビッグ・バンド(グラミー賞にノミネート)、シェイマス・ブレイク・カルテット、アリ・ホーニッヒの「パンク・バップ」、ウィリー・ジョーンズ3世カルテット、アンソニー・ウィルソン・ノネット(グラミー賞にノミネート)などのメンバーとして、多くのトップ・ジャズ・アーティストとの国際的なツアーやレコーディングに参加している。

写真:ダントン・ボーラー(B)

ジェローム・ジェニングス(Dr)

ドラマー、バンドリーダー、サイドマン、エミー賞受賞作曲家。
彼のデビュー作「The Beast」は、アメリカにおける黒人生活の日々の喜びとトラウマを反映したもので、NPRのジャズ・リリースのトップ3に選ばれ、ダウンビート誌で4つ星の評価を受け、2016年には権威あるフランスの「Grand Prix du Disque」賞のアルバム・オブ・ザ・イヤーにノミネートされた。
2019年11月にリリースされたジェロームの2作目「Solidarity」は、NPRによって2019年の権力に真実を語った最高の音楽として評価された。
ジェロームは傑出したパフォーマーである。
現在までにジェロームは、ソニー・ロリンズ、ハンク・ジョーンズ、ジェラルド・ウィルソン、クリスチャン・マクブライド、ロン・カーター、ジョージ・ケーブルズ、ディー・ディー・ブリッジウォーター、ウィントン・マルサリス(J@LC)、カウント・ベイシー・オーケストラ、フィリップ・ベイリー、ヘンリー・バトラー、その他数え切れないほどのレジェンドミュージシャンと共演、ツアー、レコーディングを行ってきた。
また、ショーン・ジョーンズ、カミーユ・サーマン、ジャズメイア・ホーン、海野雅威、クリスチャン・サンズ、シャレニー・ウェイド、ボカニ・ダイアーなど、コンテンポラリーなミュージシャンたちともレコーディングやステージを共にしている。

写真:ジェローム・ジェニングス(Dr)

Part 2
荻野目洋子

「ダンシング・ヒーロー」や「六本木純情派」など数々のヒットソングで、多くのファンを魅了してきた荻野目洋子がヤマハ ジャズ フェスティバルに初登場!J-POPや洋楽ポップスなど、ジャンルを超えた幅広い音楽スタイルでリズミカルにジャズライブを展開する。ハイセンスな敏腕ジャズ・ミュージシャンたちと共にお送りする、他では決して聴くことのできない、オリジナルアレンジでお届けするスペシャルステージをお楽しみに!

荻野目洋子(Vo)

オフィシャルウェブサイト

1968年12月10日生まれ、千葉県出身。佐倉親善大使。
1984年「未来航海-Sailing-」でデビュー。
シングル「ダンシング・ヒーロー」「六本木純情派」「コーヒー・ルンバ」、アルバム「NON STOPPER」(1987年オリコン年間アルバム1位)など、数々の大ヒットを放つ。
2017年「ダンシング・ヒーロー」がリバイバルヒット、第59回輝く!日本レコード大賞特別賞、第32回日本ゴールドディスク大賞特別賞受賞。
2020年自ら作詞作曲を手がけた楽曲「虫のつぶやき」が8月・9月度の「NHKみんなのうた」に採用される。
2022年児童労働のない世界を願って作詞作曲した、ILO(国際労働機関)児童労働反対キャンペーンソング「宝石 ~愛のうた」MVを公開。
デビュー40周年を控え、4年振りの東京でのバンドワンマンライヴを4/8(土)9(日)東京のコットンクラブで開催。
その会場限定で自身が全曲作詞・作曲をしたアルバム「Bug in a Dress」をアナログ盤で販売して話題となる。
7月には「売野雅勇 作詞活動40周年記念 オフィシャルプロジェクト MIND CIRCUS SPECIAL SHOW ~それでも、世界は、美しい~」にも出演する。

写真:荻野目洋子(Vo)

秋田慎治(Arr, Pf)

オフィシャルウェブサイト

キャリアを関西でスタートの後、'97年にNYに拠点を移す。
Teruo Nakamura & The Rising Sun Band, Victor Jones(Dr) Band, Igal Michael(G) Band等に加入し、名門Bottom Line等でのライヴやツアー、レコーディングに参加、Stanley Turrentine(Ts), Hubert Laws(Fl), Barry Finnerty(G), Tom Browne(Tp), James"D train" Williams(Vo)等数々のレジェンドと共演。
'00年帰国後は、大野俊三(Tp)、土岐英史(As)、TOKU(Vo,Flh)、阿川泰子(Vo)、 マリーン(Vo)、サリナジョーンズ(Vo)、今陽子(Vo)、矢沢永吉(Vo)、森山良子(Vo)など多数のアーティストをサポート、卓越した音楽力、粒立ちの良いタッチと拡がりのあるサウンドへの評価は高い。
カナダドライのCMにも起用された椎名純平&篠原涼子デュエットソング、"Time of Gold"を作曲/プロデュースし、ポップス界にも一石を投じる一方でTOKU(Tp,Flh,Vo)、日野賢二(B)、小沼ようすけ(G)、大槻”KALTA”英宣(Dr)と共に「TKY」を結成、『TKY』(SONY JAZZ)をリリース。全国14公演に及ぶリリースツアーの他、「東京JAZZ2005」など多数のジャズフェスに参加。新世代ジャズの牽引役と熱い注目を集める。
'06年5月、満を持してデビューアルバム『moments in life』(Pony Canyon)を発表。同年10月韓国でも発売(Pony Canyon Korea)、初の韓国公演も成功させる。
またBS朝日"Groovin' Jazz Night"では青木カレンと共に司会を勤め、ゲストとの即興セッションではスリルある演奏が好評を博した。
'10年8月、『fiction』リリース、収録曲"prelude to eternal"は洋服の青山TVCMに起用。'12年7月から2年半に渡り放送された高須クリニックCM/ジャズピアノ編では作曲を担当、自らもピアニスト役として出演した。
青山ベルコモンズ”都会で感じるリゾート・海の音”企画にて楽曲、エッセイ、写真を提供、VOLVOホームページV40スペシャルインタビューに登場、JVC KENWOOD公式推奨アーティストに抜擢等々、活動は多岐に渡る。
ラジオ番組”GINZA JAZZzzzz supported by銀座三越”(TOKYO FM)でも好評を得る中、'16年7月『time -10』をリリース、電子楽器、コンピュータ等も駆使し、多様な音楽性を一枚にまとめた。’08年から続けているソロピアノツアー15年目にしてʻ23年5月には2枚目のオリジナル楽曲集ソロピアノアルバム『Sincerely Grateful』を発表、メロディセンスとピアニシズムが収められた。

写真:秋田慎治(Pf)

1985年5月16日 北海道旭川市生まれ 幼少期にエレクトーン、中学からエレキベースを演奏し、法政大学ジャズスタディクラブに入部後コントラバスを弾き始める。井上陽介氏に師事し、在学中よりプロとして演奏活動を開始。 ジャズの伝統に根差した強靭なスウィングビートと様々なジャンルに対応する幅広い音楽性とでバンドサウンドを固める。 2011年より辛島文雄(Pf)トリオに加入し二ヶ月に渡る全国ツアーに参加。小松伸之(Dr)と共に晩年のリズムセクションを務めた。 TOKU(Vo,Flh),Charito(Vo),Geila Zilkha(Vo),竹中俊二(G),若井優也(Pf),碓井雅史(Sax),新澤健一郎(Pf)各氏のバンドや多数のセッション、レコーディングなどで活動中。また大黒摩季、Zeebraを始めとしてJ-POPやHIP-HOP等、ジャズ以外にも様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションも多数。 Vladimir Shafranov(Pf) Brenna Whitaker(Vo)を始めとして海外ミュージシャンの来日公演のサポートも数多く務める。 また、東京都内を中心に自身のリーダーバンドの活動も精力的に行っている。 2017年初リーダー作となる「Satsuki Kusui & Vladimir Shafranov」を発表。 2020年6月、自身で録音・編集も手掛けたソロベースアルバム「NEW HORIZONS」をBandcampにて発表。 共同リーダーを務めるバンド「SK4」では現時点で2枚のアルバムをリリース、海外公演を成功させるなど、活躍の場がますます広がりつつある。 ホットミュージックスクール、飯田ジャズスクールで講師も務め、各地でのワークショップを行うなど、後進の育成にも力を注いでいる。

写真:楠井五月(B)

5歳でピアノを習い始め様々な楽器を経て14歳からドラムを叩き始める。 高校卒業後、東京コミュニケーションアート専門学校にてドラムの基礎を学ぶ。その後2000年にアメリカニューヨークに渡米。 2001年ニューヨークのニュースクール大学ジャズ・アンド・コンテンポラリーミュージック・プログラム入学。在学中はレジー・ワークマン、レニー・ホワイト、ジョジョ・メイヤーなどに師事。2005年、同大学卒業。 その後はMKグルーヴオーケストラ、ザ ダガーブラザーズ、大江千里クインテッド、ベックバーガーグループ、サロン・クレンショーバンドなどでドラムを担当。 現在までにゴードン・エドワーズ、サム・ヤヘル、グラント・グリーンJr.、ジェイソン・リンダー、マルコ・ベネベントを初め、ニューヨークの様々なアーティスト達と共演。 その他にも現在までにブルーノート ニューヨーク、ブルーノート東京、同名古屋、55バー、ビターエンドなどのクラブ、ローチェスタージャズフェスティバル、シラキュースジャズフェスティバル、ハートフォードジャズフェスティバルなど様々なフェスティバルにも参加。 2006年にはJUJUの3枚目のシングル「奇跡を望むなら」のレコーディングにも参加。 2014年星空のライヴVllよりMISIAツアーに参加している。

写真:菅野知明(Dr)

鈴木央紹(Sax)

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大阪市生まれ。サックス奏者である父親の影響を受け4歳よりピアノ、作曲を始め、10歳よりサックスを始める。ジャズを独学で始め、16歳の時より演奏活動を開始、17歳の時「AXIA MUSIC AUDITION」においてAXIA賞 Instrumental部門Grand Prixを受賞。
大阪音楽大学音楽学部器楽学科サックス専攻卒業、クラシックを前田昌宏氏に師事する傍ら、在学中よりクラシックの他、ジャズでの演奏活動も行う。

これまでに4作のリーダーアルバムを発表。
2009年、メジャーデビューアルバム「Passage Of Day」大野雄二プロデュースによりVAPよりリリース。
2014年、鈴木央紹カルテット「Standards++」
2019年、鈴木央紹トリオ「Favourites」
2021年、鈴木央紹ライブアルバム「Live from Yokohama」をT5Jazz Recordsよりリリース。

現在、自身のリーダーバンドの他「ルパン三世」等の音楽作曲で有名なピアニスト大野雄二率いる「Yuji Ohno&Lupintic Six」を始め、原大力、原朋直、ユキアリマサ、TOKU、様々なグループにレギュラー参加。また、CDプロデュースワークや楽曲アレンジで「スタジオ協会録音賞」や「ゴールドディスク賞」を受賞。
そのほか数々のセッション、コンサート、日本や海外の音楽フェスティバルへの出演、CMやTVドラマ劇判などのレコーディング、近藤房之助やZARDのサポート等、参加したアルバムは100枚を超え、映像作品参加も多数、ジャンル問わず幅広く活動中。

D'Addario Woodwinds エンドーサー
大阪音楽大学ジャズサクソフォーン特任准教授
洗足学園音楽大学ジャズサックス非常勤講師
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写真:鈴木央紹(Sax)

市原ひかり(Tp)

オフィシャルウェブサイト

1982年、東京都出身。 成蹊学園小、中、高校を卒業。 その後、洗足学園音楽大学のジャズ・コースに進学し、ジャズトランペッター原朋直氏に師事。 2005年首席で卒業。 同年、ポニーキャニオンよりアルバム『一番の幸せ』でメジャーデビュー。 2006年ニューヨークレコーディングの『Sara Smile』をリリース。スイングジャーナル誌のゴールド・ディスクを受賞。 同時に、第40回ジャズ・ディスク大賞のニュー・スター賞も受賞する。 2007年5月、ニューヨークレコーディング『スターダスト』 2008年11月、初セルフプロデュースアルバム6管で収録した『JOY』 2010年3月カルテットでの『Move On』 2011年6月『UNITY』 2012年11月佐藤浩一とのデュオアルバム『Precioso』 2014年10月、不朽の名作[華麗なるギャツビー]を題材に制作した『Dear Gatsby』をリリース。 2019年4月、アメリカで録音した初のボーカル、トランペット双方を収録した9thアルバム『Sings & Plays』を前作に引き続きポニーキャニオンよりリリース。 2021年、レーベルDays of Delightに移籍し『Anthem』をリリース。 現在は自己のグループの他に、土岐英史、増原巖、赤松敏弘等のレギュラーバンドに参加。 その他、山下達郎、竹内まりや、土岐麻子等のレコーディングにもソロプレイヤーとして参加している。 ソロアーティストとしての主な出演番組は、『トップランナー』『題名のない音楽会』『ミュージックフェア』『僕らの音楽』等。

写真:市原ひかり(Tp)

Part 3
渡辺貞夫オーケストラ

音楽生活70周年を越え、生誕90周年を迎えた日本を代表するレジェンドサックス奏者渡辺貞夫が、自身のライフワークとして活動する大編成プロジェクト。選りすぐりの気鋭メンバーを集めて1995年に結成されたビッグバンドは 、2014年に「渡辺貞夫オーケストラ」と命名され再始動する。初演から四半世紀を越えて、精力的にチャレンジを続けるこのスーパービッグバンドは、バンドリーダーへのリスペクトの気持ちと共に進化を続け、ますます円熟味を帯びた演奏を聴かせてくれる。

渡辺貞夫オーケストラ

1960年代に留学した米ボストン、バークリー音楽院(大学)の授業でビッグバンドのアレンジを学び、そのサウンドに魅力を感じていた渡辺貞夫。自身のビッグバンドとしては1995年に開催されたコンサート"SADAO WATANABE ONE NIGHT WITH ORCHESTRA for Duke with Love"に於いてデューク・エリントンの楽曲を村田陽一がアレンジを施し、変則的なビッグバンドで演奏したことがきっかけとなり活動が始まる。
翌年の1996年、1997年のクリスマス・コンサートでもビッグバンド演奏を披露するなど積極的に活動機会を増やす。
特に97年のクリスマス・コンサートで披露された、渡辺貞夫のオリジナル曲だけで構成された演奏は高く評価された。
2014年に17年ぶりに結成されたビッグバンドは "渡辺貞夫オーケストラ"と命名され、渡辺貞夫の他に13名のホーン・プレイヤーと3名のリズム・セクションで演奏された。その模様はNHK BSプレミアムで「渡辺貞夫スーパービッグバンド〜81歳 音楽と走り続ける〜」として放送された。また、その演奏はライブ・アルバム『I'M WITH YOU』としてリリースされた。
渡辺貞夫の奏でるメロディアスなオリジナル曲を、そのアーティキュレーションをそのままに、SOLIパートなどを織り交ぜながら構築された、ダイナミックス溢れる演奏は評判となる。
2016年にはデイヴ・グルーシン(p)やロベン・フォード(g)、ウィリアム・ケネディ(ds)らのリズムセクションをゲストに迎えたクリスマス・コンサート「Encore! Budokan Recital」をオーチャードホール等で開催。その模様はライブ・アルバム「ENCORE!」としてリリースされた。また、2018年には"渡辺貞夫オーケストラ"として東京JAZZのステージで演奏を披露した。2021年の「Salute to Duke Ellington」公演ではデュークエリントンの楽曲を中心に演奏。
初演から四半世紀を越えて活動するこのビッグバンドは、渡辺貞夫のライフワークの一つであり、バンドメンバーらのリーダーに対する敬愛の気持ちと共にますます円熟味を帯びた演奏を聞かせてくれる。

渡辺貞夫オーケストラ

1933年宇都宮生まれ。高校卒業後に上京、秋吉敏子のコージー・カルテットをはじめ数々のバンドに参加。1962年バークリー音楽大学への留学後は、ブラジル音楽、アフリカ音楽を取り入れた独自の音楽スタイルで世界を舞台に活躍。1978年にリリースしたアルバム『カリフォルニア・シャワー』はゴールドディスクを受賞し、1980年にはジャズミュージシャンとして初めて武道館でコンサートを行う。2005年“愛知万博”では政府出展事業総合監督として世界中から集まった子供達400人と歌とリズムで共演。2016年オバマ前米大統領夫妻がホストとなりホワイトハウスで開催された「International Jazz Day 2016」に日本を代表して参加。
2019年12月スティーヴ・ガッド(ds)、ジョン・パティトゥッチ(b)、ラッセル・フェランテ(p)との共演を収録したライヴ盤『SADAO 2019 Live at Blue Note Tokyo』をリリースし、CDショップ大賞2020ジャズ賞を受賞。2020年12月自身の選曲による二枚組の70周年記念コンピレーション・アルバム『ルック・フォー・ザ・ライト』をリリース。2021年、サントリーホールでの70周年記念コンサートの演奏を収録したアルバム『ジャズ&ボッサ〜ライブ・アット・サントリーホール』をリリース。国内のみならず、海外に於いても精力的に演奏活動を行う生涯現役プレイヤーのその姿は、世界中の老若男女に勇気と感動を与えている。

渡辺貞夫(As)

西村浩二(Tp)

桑田佳祐、福山雅治、椎名林檎、Mr.Children 、King & Prince のほか、様々なアーティストのレコーディング、ツアーサポートで活躍する。また、数多くのTVドラマや三谷幸喜映画などのサウンドトラックに参加。

写真:西村浩二(Tp)

奥村晶(Tp)

東京芸術大学卒業。第57回日本音楽コンクール入選。大学在学中に「宮間利之とニューハード」に入団し、プロとして活動を始める。渡辺貞夫、猪俣猛、カルロス菅野、小曽根真、他のグループに参加する他、Benny Golson、Dave Grusin、Marcus Miller、Ron Carter など多数の海外アーティストと共演。またスタジオミュージシャンとして様々なアーティストのアルバムやサウンドトラックに参加。

写真:奥村晶(Tp)

佐久間勲(Tp)

1970年茨城県常陸大宮市生まれ。中学校時代にトランペットを始め、明治大学卒業後はプロとして活動を開始する。「原信夫とシャープス&フラッツ」をはじめ様々なバンドに在籍。Quincy Jones 、Pat Metheny、David Sanborn、Marcus Miller等の海外アーティストとも共演。また、吉田拓郎、近藤真彦、鈴木雅之、いきものがかり、Superfly、椎名林檎、安全地帯、EXILE ATSUSHI等のライブサポートで活躍する他、「渡辺貞夫オーケストラ」「オルケスタ・デ・ラ・ルス」「守屋純子オーケストラ」「内堀勝ビッグバンド」等に参加。

写真:佐久間勲(Tp)

岡崎好朗(Tp)

東京都江東区出身。12歳からトランペットを始める、五十嵐一生、村田浩に師事。1990年「バークリー・イン・ジャパン・セミナー」に参加し奨学金を得て、バークリー音楽大学に留学。2003年に自己のクインテットでデビューアルバムを発表。2005年よりニューヨークで活動し、Blue Note, Bird land, Dizzy's Club Coca-Cola, Iridium 等で演奏。「Mingus Big Band」「Mingus Dynasty」「Valery Ponomarev Big Band」「小曽根真 No Name Horses」などに参加する。2008年から東京を拠点に様々なライブ、コンサート、レコーディングで活躍中。2019年には自身の最新アルバム「Prove Yourself Right」を発表。昭和音楽大学非常勤講師、国立音楽大学非常勤講師

写真:岡崎好朗(Tp)

村田陽一(Tb)

作編曲家、プロデューサー。1991年にデビューアルバムをリリース。2021年には22作目のリーダーアルバムとなる村田陽一Big Band 「Crawling Forward」発表。大編成の村田陽一Big BandやSolid Brassから完全ソロパフォーマンスまで、様々なフォーマットでライブを行なう。作編曲家としては椎名林檎、SMAP、King & Prince、スーパーマリオ・オデッセイ、リオ・オリンピック閉会式セレモニーなどの楽曲を手掛ける。1995年より渡辺貞夫のラージ・アンサンブルでコンサートマスターを務め、多くの楽曲の編曲も担当。

写真:村田陽一(Tb)

辻冬樹(Tb)

1965年兵庫県生まれ。「岡本章生&ゲイスターズ」を経てフリーランス奏者となり、ミュージカル・オーケストラやスタジオワークの他、クラシック音楽の室内楽において活動中。「野口久和ザ・ビッグバンド」「アンサンブル・ニュアンス」のメンバーとしても活躍。

写真:辻冬樹(Tb)

鳥塚心輔(Tb)

1978年生まれ。13歳よりジャズ・オーケストラ部にてトロンボーンを始める。東京藝術大学卒業。東京藝術大学大学院修士課程修了。修士課程修了と同時に東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団に入団。2006年に東京交響楽団に首席奏者として移籍。東京交響楽団首席トロンボーン奏者。

写真:鳥塚心輔(Tb)

山城純子(Tb)

福岡出身。東京音楽大学卒業。渡辺貞夫、山下洋輔、小曽根真、守屋純子各氏のビッグバンドのメンバーとして活動する他、スタジオ・レコーディング、ミュージカル等多方面で活躍中。近年は自己のカルテットや「JYN 4 TROMBONE SESSION(4trombone&rhythm)」を立ち上げライブ活動を行なう。

写真:山城純子(Tb)

吉田治(As)

1961年6月24日福岡県飯塚市生まれ。高校のブラスバンド部でサックスを始め、一年生の時には全日本アンサンブルコンテストで最優秀金賞を獲得。早稲田大学在学中は「ハイ・ソサイエティ・オーケストラ」に所属し、1984年の山野ビッグバンドコンテストではバンド、個人、共に最優秀賞を獲得。卒業後は「シャープス&フラッツ」「ニューハード」などのビッグバンドで活躍する他、国内外の様々なジャズミュージシャンと共演。ヤマハ・ジャズ・フェスティバルには、1996年に穐吉敏子スペシャル・オーケストラのリードアルトサックスで、2012年には「バトルジャズビッグバンド」のリーダーとしてアルバムをリリースし、作編曲も担当する。2012年の12月から渡辺貞夫ビッグバンドのリードアルトとして活躍中。

写真:吉田治(As)

近藤和彦(As)

1964年山梨県甲府市生まれ。宮間利之、松岡直也、高橋達也、菊池ひみこ、向井滋春、佐山雅弘、「熱帯JAZZ楽団」などのバンドに参加。
現在、自己のグループ、小曽根真、渡辺貞夫、守屋純子などのグループで国内外を問わず活動。Phil Woods、Dick Oattsに師事。昭和音楽大学ジャズコース講師。

写真:近藤和彦(As)

小池修(Ts)

1959年7月8日広島生まれ。作編曲家、プロデューサー。15歳よりプロとして活動を始め、18歳で上京し、松本英彦氏に師事。マルチリードプレイヤーとして様々なアーティストのツアーに参加。スタジオ・ミュージシャンとしては4,000枚を超えるアルバムに参加。2020年には自身の7枚目のアルバムとなる「Singing Sax Song !」をリリース。自己のグループの他、「Blue Note Tokyo All-Star Jazz Orchestra」「渡辺貞夫オーケストラ」「山下洋輔ビッグバンド」「Solid Brass」「渡嘉敷祐一グループ」などに参加。また、2013年よりALTERED MUSIC SCHOOLを主宰し、動画配信レッスンも行っている。

写真:小池修(Ts)

竹野昌邦(Ts)

1966年6月6日栃木県宇都宮市生まれ。立教大学在学中から都内で演奏活動を始める。テナーサックスをメインに各種サックスの他フルート、クラリネット、バスクラリネットを演奏するマルチリードプレイヤーとして、様々なバンドやセッションの他、国内外アーティストのコンサートツアーやレコーディングに多数参加。「Solid Brass」「GO THERE!」「オルケスタ・デル・ソル」等のメンバーとしても活躍中。

写真:竹野昌邦(Ts)

竹村直哉(Bs)

1979年2月9日東京生まれ。中学入学と同時にクラリネット、翌年よりアルトサックスを始める。早稲田大学入学後は「ハイ・ソサイエティ・オーケストラ」に所属。学生時代より徐々にプロ活動を始め、現在はバリトンサックスを軸としたマルチリードプレイヤーとして、数多くのビッグバンド他、小野リサ、挾間美帆らとのライブ、スタジオワーク、ミュージカルなど幅広く活動中。Dreams Come True、Superfly、矢沢永吉、鈴木雅之、Manhattan Transfer、Idina Menzel、Michel Camiloらと共演。これまでに三嶋淳・宮本大路の各氏に師事。

写真:竹村直哉(Bs)

小野塚晃(Pf)

1967年生まれ。18歳の時にプロとして活動を始め、数多くのアーティスト達のレコーディングに参加。その力強さと優しさを兼ね備えたプレイは、アーティストからの大きな信頼を得る。1992年には「DIMENSION」を結成し、これまでに30枚のアルバムをリリースし国内外のライヴ活動などを行ってきたが2020年に脱退。2019年8月に4枚目のソロアルバム「天空の楽園」をリリース。

画像:小野塚晃(Pf)

須川崇志(B)

群馬県伊勢崎市出身。11歳の頃にチェロを弾き始め、18歳でコントラバスを始める。2006年バークリー音楽大学を卒業、ニューヨークで菊地雅章氏に師事する。2009年に帰国後、「辛島文雄トリオ」を経て「日野皓正クインテット」で6年間活動する。近年は、岡本太郎記念館の企画展「日本の原影」のためのソロ楽曲制作(2019)や、俳優の金子あいの舞台「平家物語」に即興演奏で参加。現在は自身が主宰するトリオ、Banksia Trio(林正樹,石若駿)をはじめ、「峰厚介カルテット」「本田珠也トリオ」「八木美知依トリオ」他多くのグループに参加。

写真:須川崇志(B)

竹村一哲(Dr)

1989年札幌市生まれ。9歳からYAMAHAにてドラムを大山淳氏に師事する。中学卒業と同時にプロとして活動を開始する。2006年石田幹雄トリオで「横濱 JAZZ PROMENADE 2006」ジャズ・コンペティションに出場。グランプリ賞と市民賞をダブルで受賞し、同トリオでCDを発売する。2019年3月には日米混合編成による「SADAO WATANABE QUARTET」のメンバーとしてブルーノート・ニューヨークに出演する。同年、竹村一哲カルテットを結成し活動をスタート。2021年7月に初リーダーアルバム「村雨」を発表。

写真:竹村一哲(Dr)

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